月末になると、営業部門と経理部門のあいだで似たような会話が繰り返されることがあります。「あの件、請求はどうなっていますか」「受注伝票はあちらが持っています」「出荷は済んでいますが、数量の確認が取れていなくて」。見積書は営業が管理し、受注は受注管理システムに入り、出荷は倉庫の帳票に記録され、請求は経理が別途処理する。情報がそれぞれの場所に散らばっているとき、月末の請求作業はいつも終盤に慌ただしくなります。受注管理の課題は、受注そのものの難しさだけではありません。受注後の情報をどう次の工程に引き継ぐか、そこに多くの企業が時間と手間をかけています。
見積書を作るたびにExcelのシートが増えていきます。受注が確定すれば、その内容を受注管理システムに転記します。出荷が完了すれば、倉庫から出荷記録が届き、それをもとに請求書を作ります。各工程で情報を「持ち寄る」必要があるため、誰かが確認の電話を入れ、誰かがメールを送り、誰かがまとめる役回りを担います。
こうした流れの中で起きるのが、二重入力と転記ミスです。同じ商品名、同じ数量、同じ単価を、見積書・受注伝票・出荷指示書・請求書とそれぞれに入力します。人が手を動かす回数が増えれば、それだけ誤りが入る余地も広がります。「請求金額が受注額と合わない」「数量が一つずれていた」といったトラブルは、情報が分断されたまま業務が進んでいることから生まれています。
クラウドERPを導入することで、見積から受注・出荷・請求・入金までの情報が、ひとつのシステムの中で連続して流れるようになります。
見積書で入力した顧客情報・商品・数量・価格が、受注書にそのまま引き継がれます。受注が確定すれば、在庫の引当が自動でかかり、出荷指示が出されます。出荷が完了した記録をもとに、請求書が自動で生成されます。各工程でデータを再入力する必要がなく、転記ミスの余地がなくなります。
NetSuiteでは、見積書(Estimate)を承認すると受注書(Sales Order)に転換され、受注書から出荷記録(Item Fulfillment)が作成され、それをもとに請求書(Invoice)が自動生成される、という一本の流れが標準で設計されています。各トランザクションは紐付いており、どの段階でも元の見積内容に遡って確認することができます(1)。
承認フローについては、SuiteFlowというワークフローエンジンを使い、ドラッグ&ドロップで承認ルートを設計することができます。受注金額が一定の額を超えたときだけ上長の承認を必要とする、特定の商品カテゴリは別の担当者が確認する、といった条件を画面上で設定でき、承認待ちの状態がどこで止まっているかもリアルタイムで把握できます。
売上総利益の分析についても、受注登録の時点で品目ごとの推定粗利が表示されます。値引きを入力した瞬間に利益率への影響が数字で見えるため、「この条件で受けてよいか」を営業が自分で判断する材料になります。POLA ORBIS Travel Retailでは、NetSuiteの注文管理を活用することでチームが毎月20時間の手作業時間を削減できたと報告されています(1)。
参考・出典
(1) https://www.netsuite.co.jp/products/erp/order-management/sales-order-management.shtml
(2) https://bcart.jp/post/detail/248/
(3) https://www.rakus.co.jp/rakurakucloud/hanbai/column/2022/1102.php
(4) https://www.aspicjapan.org/asu/article/34411